日本石油燃焼機器保守協会情報

ご挨拶

わが国の石油燃焼機器は、昭和30年(1,955年)頃より、生産技術の向上と経済事情の好転に伴い著しく発展し、石油ストーブ及び石油ファンヒータだけでも、その普及台数は、全世帯数の120%以上にも及び、さらに大形石油ストーブ、石油ふろがま、給湯機器などを加えると、地域にもよりますが、1世帯に複数台も使用されてきました。

しかし、石油燃焼機器は優れた経済性を持っている反面、使用燃料の引火性や機器構造の特異性などによって、火災発生の危険性も大きく、火災防止と使用者の安全を図るため、機器の健全な普及対策が要求されました。

その対策として、石油燃焼機器の安全性の向上については、日本工業規格(JIS)の制定が行なわれ、幾度かの規格改正と第三者機関((財)日本燃 焼機器検査協会)による検査が実施され、その安全性の確保が図られてきましたが、使用時における取扱い不注意などに起因する事故はなかなか減少しませんでした。

一方、機器自体も高機能化し、また、地震、その他の安全対策上などから、いろいろな安全・制御装置や機能部品が取り付けられ、機器の構造や取扱いも一段と複雑化し、その保守や修理に専門の知識と高度な技術が必要になってきました。

したがって、一般の販売・修理業者は十分なサービスが行えず、ときには、不良設置や不良修理による火災事故等も多発するようになり、このような情勢に対処するため、各地において、取扱い業者に対する技術知識の向上を促進する対策が要求され、石油燃焼機器業界としては、それぞれの立場と能力に応じて、技術講習会の開催もしくは啓蒙教育用パンフレット等の配布などを行って、その対策に努めてきました。しかし対象者が全国的にわたるため、組織面はもとより資金面においての問題もあり、満足な結果が得られない状況でした。

そこで、点検整備の専門的知識習得者を養成する必要が生じ、(財)日本石油 燃焼機器保守協会が設立され、統一された基準、カリキュラムなどにより、毎年、全国の主要都市で技術管理講習を開催しております。既に、この技術管理講習によって、専門的技術を習得した方々が「石油機器技術管理士」という資格を取得し、石油燃焼機器の点検整備に携わっております。

当協会は技術管理講習のほかにも石油燃焼機器の安全対策に関する調査研究と防火思想の普及・徹底を図るための機関として活動しております。

末梢的ですが、当協会は昭和50年11月25日に民法第34号により自治大臣から設立を許可された公益法人であります。設立以後の経緯は後述の事業内容に示してありますが、平成25年に一般財団法人に移行した後も寄附行為に基づいて、石油燃焼機器の取扱い関係者の指導教育と一般消費者への啓蒙等を積極的に行い、使用者の安全は勿論、当該産業の発展に寄与したいと思います。